「3つの密(密閉・密集・密接)をひかえよう!」の”三密”ではなく、”三密”という仏教の教えから、今回の新型コロナ感染拡大防止を契機に、どう普段の生活に生かすかを考えてみようと、4日間の連載でお伝えしております。今日は2日目。
「三密から学ぶ」Day2:身密(しんみつ:身体・行動についての教え)
まず昨日掲載しました十善戒のなかの「身密行」の三項をひもといてみましょう。
※真言宗智山派総本山智積院HPより引用
・不殺生(ふせっしょう)むやみに生き物を傷つけない
殺生とは「生きものを殺す」ことで、仏教の中でも最も重い罪です。
この教えは、ただ生きものを殺さないというだけでなく、その生命をより良く生かしていこうと教えます。一方で私たちは日々、多くの生きものの命を戴かなければ生きていけぬ存在です。その事実をしっかり見つめ、日々「あらゆる生命を尊重しよう」という気持ちで生活します。
・不偸盗(ふちゅうとう)ものを盗まない
偸盗とは「与えられていないものを奪う」こと。
大量生産、大量消費の現代―、新しいものが満ちあふれる毎日。あれも欲しい、これも欲しい、流行に乗り遅れたら大変だ、と私たちの欲望を刺激します。その刺激はやがて自分のものと他人のものの区別まで見失わせるのかもしれません。
そんな迷いに駆られたとき、清らかな自分本来の心を見つめなおしてみましょう。偸盗に対する仏さまの教えは「不偸盗=盗まない」。日々「他人のものを尊重しよう」という気持ちで生活します。
・不邪婬(ふじゃいん)男女の道を乱さない
邪婬とは「男女の道を乱す」こと。
男女の関係、もろもろの欲望はさまざまで、蜜のように甘く、種々さまざまなかたちで私たちの心を惑わします。しかし、相手への気づかいや思いやりのない関係は必ず不幸へと結びつきます。
邪婬に対する仏さまの教えは「不邪婬=男女の道を乱さない」。日々「お互いを尊重しあおう」と心がけて生活します。
これらを見返すと、体、人間の根本的な行動ということで非常に重たく感じますが、新型コロナウイルスの感染防止にも自分勝手な行動は慎み、他人のためにどんな行動をとるべきか考えると、以下のように導けます。(参拝者と神社お寺でつくるお参りの記録共有サイト「 ホトカミ」より引用)
○自分の行動を見直し、大事なものを見極める
○みんなのいのちを守る行動を取る
○できる範囲でからだを動かす
○手を洗い身を清める
・自分勝手な行動はしない。自分さえよければそれでいいという気持ちで行動しない。
これにより「生命の尊重」「他人を尊重」「お互いを尊敬し合う」というところに結びつくのは言うまでもありません。
明日(Day3)は「口密」、5月6日(水)9:00頃の公開です。