連載「三密から学ぶ」Day3

「3つの密(密閉・密集・密接)をひかえよう!」の”三密”ではなく、”三密”という仏教の教えから、今回の新型コロナ感染拡大防止を契機に、どう普段の生活に生かすかを考えてみようと、4日間の連載でお伝えしております。今日は3日目。

「三密から学ぶ」Day3:口密(くみつ:言葉・発言についての教え)

今回も十善戒のなかの「口密行」の四項をひもといてみましょう。
※真言宗智山派総本山智積院HPより引用

・不妄語(ふもうご)うそをつかない
妄語とは「嘘をつく」こと。
今、世の中の色々なところで嘘、偽りがはびこっていると思いませんか? 騙されるほうが悪いの? バレなければ関係ない? しかし、清らかなあなた本来の心は知っています、あなたが嘘をついていることを…。
妄語に対する仏さまの教えは「不妄語=嘘をつかない」。日々「正直に話そう」と心がけて生活します。

・不綺語(ふきご)無意味なおしゃべりをしない
綺語とは「意味のない無益なおしゃべり」のこと。
ゴシップ、うわさ話は楽しいですねぇ。でもその話って本当のことなの? それは話す意味があるんですか? ひょっとしたらあなた自身が周りの人からうわさされているかもしれませんよ…。
綺語に対する仏さまの教えは「不綺語=無意味なおしゃべりをしない」。日々「よく考えて話をしよう」と心がけて生活します。

・不悪口(ふあっく)乱暴なことばを使わない
悪口とは「汚いことば」のこと。
日本語はとても美しいことばです。その美しいことばも今や-。「ムカツク!」「てめぇ~、ざけんなよぉ!」「ぶっ殺されてぇ~のかよぉ~!」…。
悪口に対する仏さまの教えは「不悪口=粗暴なことばを使わない」。日々「優しいことばを話そう」と心がけて生活します。

・不両舌(ふりょうぜつ)筋の通らないことを言わない
両舌とは「他人の仲を裂くことば」のこと。後に両舌が転じて「二枚舌」と言われるようになりました。二枚舌の特徴は裏表があり、非常にネガティブな言葉として使われています。
妬みや嫉妬から? 自分が仲間になれないから? なぜ二人の仲を裂きたいのだろう…? そんな気持ちが湧いてくる自分自身の心の奥を覗いてみましょう。理由は分かりましたか? 清らかな心に雲はかかっていませんでしたか?
両舌に対する仏さまの教えは「不両舌=中傷しない」。日々「おもいやりのあることばを話そう」と心がけて生活します。

口は災いの元、口から発しなくても現代のSNSなどは良くも悪くもたくさんの人の発する言葉であふれています。これらから今私たちにできることは、以下のように考えられます。(参拝者と神社お寺でつくるお参りの記録共有サイト「 ホトカミ」より引用)
○自分の言動を見直し、正す
○電話やインターネットなどを通して友人とたわいもない話をして気分転換する
○ありがとうと感謝の気持ちを口に出す
○うがいをしっかり行い、口を清める
・自分の事を棚において、人の悪口ばかりを言わない(インターネットに書き込まない)
・人の揚げ足をとらない
これらの行いは、昨日の身密行にある「相手を尊重する」「お互いを尊重しあう」に結びつきますね。
言葉は他人とコミュニケーションをとる上で最も重要なものです。その言葉に気を付けることも、大事な修行なんですね。

明日(Day4)は最終日「意密」、5月7日(木)9:00頃の公開です。