感染拡大防止の策として「3つの密(密閉・密集・密接)をひかえよう!」の”三密”ということばになじみが出来たかと思われますが、この”三密”ということばは、空海(弘法大師)がひらいた真言宗をはじめとする密教の教えでもあり、修行でもあります。
緊急事態宣言の期限延長に伴う一斉休業要請の延長で、更なる外出自粛”Stay Home”という我慢が続いているかと思いますが、今回はこの”三密”という仏教の教えから、今回の新型コロナ感染拡大防止を契機に、どう普段の生活に生かすかを考えてみようと、4日間の連載でお伝えしたいと思います。内容はネット上で掲載されている記事を引用しわかりやすくまとめております。決して修行とか我慢とかというものではなく、日常生活で実践できる仏教の教えですので、気軽にお読み下さい。
「三密から学ぶ」Day1:身口意(しん・く・い)
冒頭で記載した通り、三密は真言宗や天台宗などの密教の教えで、生命は身口意(しん・く・い)で構成されている、つまり「身:からだ」「口:くち」「意:こころ」といった人間全ての行動について修行を積む、具体的には「身密(しんみつ)・口密(くみつ)・意密(いみつ)」の3つを合わせて三密といいます。
・身密(しんみつ)とは、身体・行動
・口密(くみつ)とは、言葉・発言
・意密(いみつ)とは、こころ・考えについての教えです。
この身口意(しんくい)の実践行であるのが、真言宗系で重んじられ後大衆化された「十善戒」です。それは修行といった厳しいものではなく、日々の暮らしの中で、心がけたい十の項目で、三密の三行に分類されます。
【身密行:身体の行い】
・不殺生(ふせっしょう)むやみに生き物を傷つけない
・不偸盗(ふちゅうとう)ものを盗まない
・不邪婬(ふじゃいん)男女の道を乱さない
【口密行:言葉の行い】
・不妄語(ふもうご)うそをつかない
・不綺語(ふきご)無意味なおしゃべりをしない
・不悪口(ふあっく)乱暴なことばを使わない
・不両舌(ふりょうぜつ)筋の通らないことを言わない
【意密行:心の行い】
・不慳貪(ふけんどん)欲深いことをしない
・不瞋恚(ふしんに)耐え忍んで怒らない
・不邪見(ふじゃけん)まちがった考え方をしない
明日から、これらの三密をひもといて、今の生活で日常生活に活かせるように、そして今我々ができることを少しずつ実践できるようお伝えしたいと思います。
明日(Day2)は「身密」、5月5日(火)9:00頃の公開です。